急速の進展した通信自由化の下での、シンガポール・テレコムの動向

200069

 

 最近、シンガポール・テレコム社の海外買収案件の失敗が新聞誌上に話題を提供しています。今回、20006月8日Corporate Affairs & Finance Groupの方から、最近のシンガポール・テレコム社(以下、シング・テル)の状況について話を伺う機会があった。概要は次のとおり。なお、シンガポール・テレコム社は、1999年度期(8月末)の売上高49S(シンガポール)ドル、純利益20Sドルの優良企業です。

 

1.              シンガポールにおける通信の自由化の影響

 シンガポールの通信の自由化は急速に進んだ。当初、2007年から自由化の計画が2002年になり、さらにそれが2000年4月に前倒しに実施された。シンガポール・テレコム社は、既に競争環境への対応になれているといえる。

2007年から2002年に前倒しされた時には、シンガポール・テレコムは、政府より15億S(シンガポール)ドルの補償金を入手した。現在は、2002から2000への前倒し実施に伴う補償措置を交渉しているところ。しかしながら、シンガポール・テレコム社は60S億ドルの現金を有しており、キャッシュの潤沢な企業でありため、これ以上の金銭的補償措置は望んでいない。金銭的なもの以外を期待している。

 今回の自由化により最も悪影響を受けるのは、既に投資を行っているスターハブ社であろうとの認識。

 

2.              シンガポール・テレコム社グループの収入構造

シンガポール・テレコム・グループでの、現在の収入構造は、国際通信34%、移動体通信17%、ネットワーク(含、インターネット、専用線)16%、国内通信12%、郵便7%、情報システム・サービス6%、機器販売4%、その他4%である。

既に、国際通信の比率は34%にまで低減しており、今後さらに低下する見込み。

今後は、移動体通信、ネットワーク、情報システム・サービスの3部門が拡大することを見込んでいる。

 

3.              競合相手について

 2000年4月の自由化以来、現時点で、設備事業社(FBO)及びサービス事業者(SBO)合わせて70社以上が事業認可を受けているが、ほとんどがSBOである。また、実際に設備投資を行っており、シンガポール・テレコムの競合相手になりそうなのは、スターハブ社のみである。そのスター・ハブ社は、シンガポール・テレコムにとって回線リースの最大のユーザとなっている状況。

 海外での通信の地域ハブとしての競合国は、香港と豪州。マレーシアは、現状では競合相手にはなっていない。

 

4.              海外投資について

 積極的に海外投資を実施してきており(ベルギー、タイ、フィリピン等)、海外からの収益が現在の税引前収益の15%に達するまでになっている。

 

5.              広帯域ネットワークについて

 ADSLを用いたサービス(商品名:マジックス)を中心に実施。現ユーザ数は30,000。今年度期末には100,000の予定。各家庭への光ファイバー敷設は、費用が高く、その費用負担の観点からユーザにとっても不利になろう。

 

6.              香港テレコムとの差異

 シンガポール・テレコム社は、次の3点で香港テレコム社に比し、優位点を有していると認識。

(1)   郵便事業を有していること。シンガポールでの郵便事業は利益率の高い事業。

(2)   情報システム・インテグレーション事業を有していること。(子会社のNCS社)

(3)   総合的なサービス(インターネット(SingNet, MySingnet)、携帯電話(SngtelMobil)、広帯域通信(Magix)、電子商取引(id.safeLycosAsia SesamiDotCom)等)により、幅広い顧客層を獲得している。

 

7.              第3世代移動体通信

Gは、2002年事業開始の予定。