ラオスのインターネット事情

CICC シンガポール

2000.8.7

ラオス国家インターネット委員会が5省庁(委員長:STEA長官、委員:外務省、内務省、通信省、情報文化省)共同で組織されており、基本的なIT政策はここで検討されている。

@ISPライセンス制導入への動き

ラオスではインターネットサービスプロバイダー(ISP)事業は、ライセンス制となっておらず、自由に事業を開始できるが、現在、そのライセンス制導入を検討している。インターネットサービスは、現在2社(ラオステレコムと情報文化省)。STEAScience Technology and Environment Agency)はE-mailサービスのみを実施しており、インターネット事業を開始したいと考えている。当面ライセンス発給は5社程度に絞る予定で、2004年までに10社程度の参入を望んでいる。外国企業の参入も問題無いとのことであるが、通信インフラが未整備であること、人口約500万人でその多くは農民であること等を考えると、インターネット需要は低く、ビジネスベースにのるまでにはかなりの時間を要すると想定される。ライセンス制度の概要は、現在インターネット委員会で検討中であり、同委員会がISPライセンスの発行機関となる見込みである。

ASTEAインターネットプロジェクトの現状

現在、E-mailサービスのみを実施しているSTEAであるが、米国ロスアンゼルスのISPであるSteering Pacific社にラオスが有するドメイン「.la」の一部利用権を供与することで合意し、米国側から512Kbpsの衛星回線の提供を受けることになっており、インターネット事業の実現に動き始めている。しかしながら、米国サイドではその準備が出来ているものの、ラオス側の衛星通信設備が整っていない為に、まだプロジェクトは実現していない。今後、衛星用アンテナ、Gateway、サーバ等を準備する必要があるが、政府がこれを予算化できず、事業が進展していない。20008月にも国家インターネット委員会で本件が審議される予定であるが、ラオスの財政事情からみて、すぐに全ての設備が整うとは考え難く、2000年末程度までに一部機器の導入が図られる予定。

STEAによるインターネットサービスは、政府による公共サービス的な色彩が強くなるため、一般民間企業や外国人に対する有償サービスの他、公的機関(中央や地方政府)、病院、大学等への無償サービス提供が要請されており、各地方政府や大学、病院側の新規PC購入、通信回線準備のための予算が無いことも、STEAのインターネットプロジェクトの進行を遅らせる原因となっている。

 実際には、政府はラオスの正式ライセンスISP1号をSTEAとしたいため、上述の米国ISPとのプロジェクトの実現と共に、ライセンス制が導入される可能性が大きい。