シンガポール科学技術2005計画について
2000年10月
CICCシンガポール
貿易産業大臣ジョージ・ヨウ氏が、材料研究・エンジニアリング研究所の新建物の公式オープング式典にて、2000年10月25日発表したもの。
5年間の予算規模は、70億シンガポールドル。このうち、50%が公的機関の研究開発に、3分の1が民間部門の研究開発促進に、20%が人材開発に使われる。なお、前5カ年計画の予算規模は40億シンガポール・ドルであった。
科学技術庁(NSTB: National Science and Technology Board)にとって、3番目の国家科学技術計画となる。
ニッチ分野での世界クラスの科学技術能力を見つけ作り上げ、世界的に通用する成長分野を強化・育成することを目的としている。
新計画における5つの戦略分野
1. ニッチ分野での研究開発能力へ集中、強化する
2. 民間分野の研究開発をさらに促進する
3. 効果的な技術移転と知的財産管理のシステムを構築する
4. 世界の有能な人材をリクルートし、又、地元の人材を育成する
5. 協力な国際関係・ネットワークを開発する
研究委員会
2つの研究委員会を設置する。1つは、バイオ医療研究委員会(BMRC: Biomedical Research Council) と科学エンジニアリング研究委員会(SERC: Scince and Engineering Research Council)。研究開発投資への構造的な方法を提供することにより、両委員会は公的部門の研究開発を、基礎分野から応用分野までにわたって、研究所、研究センター、大学研究所を調整・管理する。委員会は、フルタイムの専門家及び科学者を有し、政府に対し、技術政策に関する助言、プライオリチィ付け、技術ロードマップ作成を行う。委員会は、資金提供提案に対し、競争入札、国際レビューを制度化する。
委員会の責任は、
1. 基礎から応用にいたる全ての公的研究を支援、管理する。
2. 総合的効率性、有効性を向上させるため、研究所、研究センター、大学研究機関の研究を調整・焦点合わせを行う。
SERCは、公的部門の物資科学、エンジニアリング部門の研究開発活動、人材管理を担当し、BMRCはヒューマン・ライフ・サイエンスの研究開発を担当する。
国際協力及び人材開発
R&D Fellowshipプログラム及びManpower Upgrading for S&T (MUST) プログラムが強化される。海外の有能な人材をリクルートし、国内の人材を開発し、また、海外派遣プログラムをさらに充実させる。
民間部門の研究開発
NSTBは、経済開発庁(EDB)のより多くの企業がシンガポールで研究開発を行うことを推進する政策を支援する。このため、公的研究開発機関は民間企業との共同活動や産業界主導の研究開発コンソーシアムを強化する。
産業界への技術移転システムをさらに強化する。公的研究開発機関からのスピン・オフを促進するための技術移転部門(TTOs: Technology Transfer Offices)を設置する。
科学技術2005計画は、これまでの国家技術計画(NTP: National Technology Plan. 1992-1995)、国家科学技術計画(NSTP: National Sciencce & Technology Plan. 1996-2000)の成果の上に構築されるものである。前2国家計画は、シンガポールに頑強な研究開発基盤を構築することに成功している。研究開発費のGDP比は、1996〜1999年の間、年率12%で向上した。1991年〜1995年の間の増加率は、年率6%であった。
1999年までに、研究開発費のGDP比率は、1.84%に達した。この数字は、先進国の研究開発投資率である2〜3%に近いものとなっている。
労働者1万人あたりの研究開発人材数は、年率10%で増加し、1995年の48人から1999年には70人となっている。
1999年のシンガポールにおける開発成果の特許出願数は673件に達している。
(以上)