コンピュータ科学技術開発法
SLORC
は1996年9月にコンピュータ科学開発法(The Computer Science Development Law : SLORC Law No. 10/96)を制定した。全文11章、42条からなり、ミャンマーにおける今後の情報化推進政策の枠組みを与えるものである。その主な規定は次のとおり。
ミャンマー・コンピュータ科学開発審議会(第4条〜7条)
SLORCは「ミャンマー・コンピュータ科学開発審議会」(Myanmar Computer Science Development Council)を設置する。そのメンバーはSLORCの指名するものを議長(実際にはキン・ニュン第1書記)とし、関係閣僚や機関の長、科学者等から構成され、教育省の副大臣を事務局長とする旨が規定されている。97年1月1日以降は新設された科学技術省の大臣が事務局長を務めている。同審議会は情報化政策に関する重要な決定を全て行う。特に注目されるのは「輸出入の許可されるソフトウェアと情報(information)の種類(type)」に関する決定権限がこの中に含まれることである(第7条(i)項)。
コンピュータ協会(第8条〜17条)
愛好家(
Enthusiasts)、科学者(Scientists)、企業家(Entrepreneurs)の3分野におけるコンピュータ協会(Computer Association)を全国的な規模のピラミッド構造として設立することが規定されている。ミャンマーの行政単位は国、州/管区(State or Division)、地区(District)、タウンシップ(Township)の4階層からなるが、コンピュータ協会は上記3分野でそれぞれの行政単位ごとに作られる。法律には協会の機能についての規定がないが、非営利機関であるとされ、情報化に関連したボトムアップの動きを作り出すことが期待されているようである。
ミャンマー・コンピュータ連盟(第18条〜25条)
ミャンマー・コンピュータ科学開発審議会は愛好家、科学者、企業家の3分野における全国レベルのコンピュータ協会の代表から構成される「ミャンマー・コンピュータ連盟」(
Myanmar Computer Federation)を設立する。連盟は非営利の非政府組織(NGO)でありコンピュータの普及、コンピュータ科学に関する研究、教育カリキュラムの開発、資格試験の実施、コンピュータ生産者への指導・助言、審議会や政府への政策提言、国際交流、ミャンマー語に関する情報処理技術の開発、出版事業や図書の収集整理、表彰などあらゆる分野の活動を行うことと規定されている。政府からの補助金や外国からの援助もまずこの連盟が受け入れ窓口となる模様である。
ネットワーク利用に関する事前許可とライセンス(第26条〜30条)
ネットワークの一部として利用されるコンピュータ(或いは
FAXモデムカード内蔵型のコンピュータ)については、通信省(Ministry of Communications, Posts and Telegraphs)が審議会の承認を得て型式を指定することとされ(第26条(a)項)、これに該当する機器を輸入、所有或いは利用しようとするもの及びネットワークを構築しようとするものは事前に通信省に申請を行い、許可を受けなければならないことが規定されている。
違反と罰則に関する規定(第31条〜39条)
特に厳しいのはネットワーク利用のためのコンピュータを規定する第26条
(a)項に関連する違反であり、禁固7〜15年の刑が課せられる。また第7条(j)項に基づき指定される輸出入許可対象のソフトウェアや情報を許可なく輸出入した場合には禁固5〜10年の刑が課せられる。この他にも幾つかの規定がある。